Q&A

好き?

嫌い?

なんやかんやで

やっぱ好き

良くも悪くも特徴的な山仕事の日常について書いてます!パソコンと毎日にらめっこして仕事が嫌になっているアナタ…これから先どんな人生にしたいのか分からない学生のキミ…。こんな世界もあると分かるだけで何か変わるかもしれません!

目次

Q.林業って今からでも出来るの?資格とか持ってないけど…

A.出来ます。資格を取ったり研修を受けたり出来る『緑の雇用』という制度があります。

緑の雇用についての詳しい情報は《コチラ》

『必要な資格』というのは就職や転職の際やはり気になるものと思います。実際、林業の現場で働くためには数多くの資格が必要となってきます。

チェーンソーや草刈機はもちろんのこと機械類の資格や安全知識に関するものまで様々です。

資格の一例

これらの資格を最初から全て取得している事は非常に稀だと思いますが心配いりません。緑の雇用という制度があり働きながら資格を取る事が出来るからです。

この制度は数年間に渡り継続されます。経験や成長に応じて資格を取得したり、林業や山に関して様々な知識を得ることができるのです。

またこの研修では“林業同級生”と出会う事ができます。一年目…二年目…とお互いが徐々に成長していく姿を確認することで、ツラい時もある林業の仕事を続けていく励みにもなります。

資格よりも、やる気と安全への意識が大事!!

Q.山仕事の朝は早い?

A.山仕事の朝は早い!今まで色んな事業体の人に話を聞いた結果“朝の5時半〜6時半に集まってから現場に行く”というのが一般的です。

山仕事といえば真っ先にイメージするのが朝の早さと仕事のキツさかもしれません。

働く場所や人によって多少の差があるものの山仕事の朝は早い傾向にあります。8時〜9時に出社する職場や、昼からのシフトで働いている方にとっては慣れるまで大変だと思います。

山仕事で働く多くの人がお弁当を持っていきますが、そのお弁当を奥さんが作ってくれる場合は奥さんもまた早朝から起きなければならないため大変です。

慣れないうちは夜も早く寝ないと次の日しんどいよ〜zzz

Q.山仕事は終わるのも早い?

A.終わるのも早い!特例を除いて残業という概念がありません。残業したくても電気もありません。基本的に14時半から15時ぐらいには現場の片付けをして16時ぐらいには解散しています。

林業で働いている人が“他の職業では働けない”と感じる理由によく上がるのが仕事終わりの早さです。

場合によっては小学生より早く帰宅している時もあるほどです。たま〜に何かのトラブルがあって遅くなったとしても17時までには終わっています。

この感覚に慣れてしまうと17時を過ぎても仕事をしている事に耐えられない身体になってしまうのです。

“夜は家族や友人とゆっくり夕食をとりたい、自分の趣味や自由時間は絶対に欲しい“という人には魅力的な要素ではないでしょうか。

仕事に追われるのはイヤだ!って人にはオススメかもです。

Q.林業の給料は安い?休みは?

A.事業体と個人の技量による!ただ業界全体として見ると年収は低めの傾向。週休2日のところも増えてきてるけど天候次第では休みが増えたり減ったり…。

働く事に対するモチベーションは人それぞれだと思いますが多くの人が気になるところが給料と休みだと思います。

ここに関してはかなり差があるので実際に働こうと思っている林業会社や森林組合に聞くしかないと思います。一概に言えない部分なので“林業業界ではよくある話”ぐらいの感覚で以下を参考にして下さい。

◆ 月給制もあるけど日給制のほうが多い印象。

◆ 日給7,000〜8,000円ぐらいからスタートする事が多い。

◆ 技術が全てとも言える職種なので個人の技量によって給料に差がつく事がある。(当然ですが出来る事が多い方が給料面では有利)

◆ チェーンソーなどを個人所有か会社からの貸与かによっても給料が変わる。(個人所有の場合は故障や破損の際に実費になるため日給も高め。会社所有の場合は会社が負担。)

◆ 雨の日は基本的に休みが多い。(イレギュラーな休みを嬉しいと感じる人にはプラスポイント。ただトラックでの運搬や重機での仕事は雨でもする事があります。)

◆ 雨の日休んだ代わりに晴れたら日曜日でも仕事する場合もある。

◆ 基本的な休みは月6〜8日程度の印象(正月、盆休みなどもあります。)ただ有給を使ってかなり自由に休める事業体が増えてきたので“平日に休みたい”“子供が急に熱をだした”などという場合には他業種よりも休みやすいと思います。

実際に気になる事業体に問い合わせてみましょう。行動あるのみ!

Q.林業ってやっぱり危険なの?

A.長期的には労働災害が減少しているが、それでも危険です!しかし機械や道具は進化しているため個人の意識次第で事故は減らす事ができます。

詳しい数字や事故の状況等は《こちら》の林野庁のサイトにあるので興味ある方は見てください。

昔に比べるとかなりの割合で労働災害が減っていることが分かると思います。理由としてはチェーンソーの刃から足などを保護するための防護ズボンの義務化や、機械化が進んだため危険な作業を重機等が代わってくれた事が関係しています。

しかしそれでも全産業の中で最も労働災害が起きているという現実があります。

林業は様々な気象状況の中で大きな木や自然の地形を相手に仕事しているため不確定な要素がたくさんあります。そのため“少しの判断ミス”や“ちょっとしたコミュニケーション不足”などが大きな災害に繋がりやすいのです。

災害事例の中には危険な禁止作業をしていたり、お互いの作業範囲に知らずに入っていたりといった不注意によるものも多くあります。これらを防ぐためには一人一人がしっかり安全を意識して作業しなければいけません。

技術や知識も確かに必要ですが林業において最も重要なものは“危険を察知する能力”だと思います。同じ作業でも危険を理解して作業するのか、そうでないかでは安全性に大きく差が出るからです。

ケガをしない!させない!って気持ちが1番大切なのです。

Q.自然の中で仕事するって気持ちいい?

A.自然の中で仕事するって甘くありません!みんながイメージしている自然と山仕事の自然は少し違います。

林業で就職を志望している方によく勘違いされているのが“自然と一緒に仕事できるって素晴らしいっ!”と思っている事です。それは3割当たりで7割違います。春先などの“いい季節”を除いては自然の中で仕事をすることは良いことばかりじゃありません。

夏は蒸した草の中で下刈り、アブやテジロにブトなどの虫が顔の周りを飛び回り、スズメバチやマムシなどの危険生物もいます。そして汗でベトベト…。

冬の寒さは“もはや寒いではなく痛い“と言っても過言ではありません。雪の山の中で一日仕事するうちに手の感覚がなくなっていくのは容易に想像できるでしょう。

では悪いことばかりか?…と言われるとそうでもなく“今日は山仕事日和やなぁ”と感じる事もたくさんあります。天気のいい日に木陰で食べるお弁当や丸太の上に寝転がってする昼寝は山仕事の特権と言えます。

天気が良く景色も良い時は最高に贅沢な時間なのです!

ただ最近では重機専属オペレーターのような林業従事者もかなり増えているようです。木を伐ったりするわけではなく一日のほとんど(もしくは全て)を機械に乗っているため上記のような感覚があまりないかもしれません。個人的にはせっかく山仕事するのであれば、しっかり動いて汗を流したり冬の寒さの中で焚き火に当たったりする喜びを知ってほしいと思います。

Q.結局のところ林業の良さって何?

A.人によると思うけど個人的には“仕事における裁量権”と“人間らしい生活”です!

裁量権

仕事の裁量権?と思う方もいらっしゃると思いますが仕事に対する満足度に大きく関わってくる部分です。つまりは“自分の責任のもとに自分で考えて仕事をしたり、トラブルを処理したりする権限”の事です。あなたの仕事に裁量権はありますか?

林業では新人においてもある程度の裁量権が与えられます。基本的には複数人の班で行動をしていますが、いざ木を切るときには山の中で1人チェーンソーを担いで仕事をするのですから裁量権があるというより強制的に自分の責任で仕事しなければなりません。ある程度の基本作業をこなせるようになれば新人といえども木と対峙した時にこう考えます。

◆『この木を伐る前に先にあの木を伐った方がいいのかな?』 

◆『あの木を伐るとしたらどっちの方向にどんな方法で倒そう?』

◆『失敗した場合どうなるのだろう?』

◆『ここは足場が悪いから反対から伐った方がいいのかな?』…などなど。

実際にはもっと多くの事を考えながら作業すると思いますが林業の現場というのは常に変化し続けるため、いくら計画を練っても通用しません。その場その場、その木その木で臨機応変に判断することが求められます。そこには隣のデスクに座って助言をくれる先輩も、プログラム通りに答えを弾き出してくれるパソコンもありません。

最初のうちは“考え”があっても“技術“が追いつかないため失敗したり無駄な手間をかけて周りに助けられる事もあります。しかし少しずつ経験を積み重ねていくうちに楽しさに気づいてくると思います。

任された山を“自分の技術と判断だけ”できれいに施業できた時や、自分が狙った通りのピンポイントで大きな木を伐倒できた時は不思議な満足感や喜びを感じます。失敗しながらでも自分の可能性や技術を伸ばす事を“おもしろい”と思える人は林業に向いていると思います。

しかし裏を返せば“できれば人から指示を出してもらいたい、決められたルーティンの中で仕事したい、あまり仕事において判断を迫られたくない”という方はどちらかと言えば不向きかもしれません。

体力や技術は経験と一緒についてきます。しかし常に変化する現場の中で柔軟に対応しなければならないため、人によっては慣れるのに苦労すると思います。

人間らしい生活

早起きして山に行き仕事に汗を流す。昼は奥さんが作ってくれたお弁当を食べて軽く昼寝をする。昼から少し仕事して同僚と談笑しながら山を下りる。帰宅し子供と風呂に入ったり一緒に夕食を食べて談笑したり。日によっては温泉に行ったり、読書など趣味の時間を過ごして眠たくなったら寝る。毎日この繰り返しです。

『刺激のない退屈な毎日』か『平凡だけど幸せそう』と感じるかは人それぞれですが、林業という仕事は【健康・家族・時間】などに価値を感じる人には魅力的だと思います。逆に【お金・ステータス】などとは少し遠い職種なので、それらを求める場合にはあまりオススメできないかもしれません。

世の中に多種多様な仕事がある中で“普通な毎日を明日も過ごせる事”は実は贅沢な事なのです!